体外受精とは
「卵巣に形成された卵子を体外に取り出し(採卵)、精子と受精させ(媒精)、さらに数日間育てること(培養)で得られた受精卵を子宮内に移植(胚移植)して妊娠を成立させる治療法」です。
採卵から培養までの一連の操作が体外で行われるため、卵子の存在・成熟度、精子の受精能力、受精卵の状態を直視下で評価でき、治療法以外に不妊症の検査としても有用性を持っています。1978年にEdwardsとSteptoeの両氏により世界初の体外受精児であるルイーズブラウン氏が誕生してから、本法を含めた高度生殖医療により、世界で400万人、我が国では年間6万人以上、累計70万人以上の生命が誕生しております(2019年時点、日本産科婦人科学会)。
体外受精を受けられる方の適応
卵管因子
子宮卵管造影検査などで両側卵管の閉塞が確認されたり、過去に異所性妊娠(子宮外妊娠)などで卵管切除術を受けたりといった理由で、従来の方法では妊娠が困難な場合。
男性因子
精子検査にて中等度以上の精子無力症、乏精子症が確認されている場合(重症の場合は顕微授精の適応、詳細は顕微授精の資料を参照)。
免疫性不妊
抗精子抗体(精子不動化抗体)が強陽性である、もしくは弱陽性であるが人工授精を施行しても妊娠に至らない場合。
原因不明
明らかな原因が確認されていないが、2年以上の不妊期間をもつ場合や人工授精までの治療で妊娠に至らない場合。
体外受精の治療の流れ
1.排卵誘発
通常、自然の周期では1個しか排卵しませんが、体外受精周期においては複数の卵子を得るために下記の方法を用いて行います。
1.Long法
- 体外受精を行う前周期の月経2~5日目より卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤を約3週間内服し、服用開始の10~14日目より点鼻薬(GnRH作動薬)を開始します。合剤を服用できない場合には、排卵の4~7日後より点鼻薬を開始します。
- 月経が開始しましたら数日以内(3~5日頃)に来院して頂き、血中E2(エストロゲン)が低下しているのを確認し、翌日より連日注射(hMG製剤)投与となります(およそ7~10日間)。
- 超音波検査やホルモン測定により、卵胞が充分に発育しているのを確認したら、採卵日を決定します。
- 採卵2日前の午後10時頃に卵子の最終的な成熟を促す注射(HCG製剤)を投与し(点鼻薬もその時点で中止します。)、その35~36時間後に採卵を行います。
この方法のメリットは、十分にホルモンを下げてから注射を開始するため、採卵前に排卵してしまう心配が無く排卵日をある程度調節できることです。デメリットとしては、注射の投与回数(およそ7~10日間)、点鼻薬(2本)が他の方法よりも多く必要となる可能性があることとなります。
2.Short法
- 月経周期の1~3日目に来院して頂き、ホルモンの基礎値(LH、FSH、E2)を測定し、体外受精に適した周期か確認後、翌日より点鼻薬、連日注射(hMG製剤)投与となります(およそ6~8日間)。
- 超音波検査やホルモン測定により卵胞が充分に発育しているのを確認し、採卵日を決定します。
- 採卵日の前々日の午後10時頃に卵子の最終的な成熟を促す注射(hCG製剤)を投与し(点鼻薬もその時点で中止します。)、その35~36時間後に採卵を行います。
Short法のメリットとしては、long法と比べて点鼻薬の投与期間が短く注射の投与量も少なくすむことがあります。デメリットとしては、ごくまれに排卵してしまう可能性があることや、後述する自然周期法と比較して注射の投与量が多く、また排卵促進にhCG注射が必要なため、卵巣過剰刺激症候群に注意が必要となることがあります。
3.自然周期法(クロミッド+hMG法)
- 月経周期の1~3日目に来院して頂き、ホルモンの基礎値(LH、FSH、E2)を測定し、体外受精に適した周期か確認後、月経3日目を目安に排卵誘発剤の内服を開始(5日間)し、注射(hMG製剤)を適当なタイミングで3~4日投与します。
- 超音波検査やホルモン測定により卵胞が充分に発育しているのを確認し、採卵日を決定します。
- 採卵日の前々日の午後10時頃に卵子の最終的な成熟を促す注射(hCG製剤)または点鼻薬を投与し、その35~36時間後に採卵を行います。
自然周期法のメリットとして、後述する卵巣過剰刺激症候群のリスクが低いこと、連日の点鼻薬が不要で注射の投与回数も少ないため、経済的・肉体的な負担が軽減されることがあります。デメリットとしては、排卵抑制を併用せずに刺激を行うためにまれに排卵してしまうことがあり、それを避けるため十分な刺激ができないことで採卵数が少なくなる場合がなどがあります。採卵前の排卵のリスクが高いと判断した場合、アンタゴニスト製剤を用いて排卵を抑制することがあります。
4.使用薬剤
- 点鼻薬(GnRHアゴニスト製剤)
元々は子宮筋腫や子宮内膜症の治療薬です。Long法においては本来のホルモンを抑制し、注射剤の純粋な作用のみで卵胞を成長させます。Short法では、初期においては注射と同様の卵胞発育の促進の作用があります。いずれの方法においても採卵前の自然排卵を抑制する作用を持ちます。自然周期法においては、採卵前の排卵促進剤として使用される場合があります。 - hMG製剤(またはFSH製剤)
下垂体から分泌される卵胞ホルモンと同様の作用をもつ注射です。150~300単位/日を基準に必要量を投与します。原則通院での筋肉注射ですが、患者さんの希望や状況により自己注射製剤を使用する場合もあります。 - hCG製剤
下垂体から分泌される黄体化ホルモンと同様の作用をもつ注射です。卵胞の成熟が確認された時点で5000~10000単位を投与し、34~36時間後に採卵を行います。採卵は朝8~9時に行いますので、逆算して前々日の夜22~23時に行います。注射は提携先の医療機関に紹介いたします。 - アンタゴニスト製剤
下垂体ホルモンの分泌を抑えることで排卵を抑制する注射または内服薬です。自然排卵を抑制したり、後述のOHSSを軽減したりするために使用される場合があります。
2.採卵
超音波下で腟より細い針で穿刺して、卵胞より卵子を吸引回収します。当院では卵胞内を潅流液で洗うことで卵子の回収率を高めるフラッシュ法を採用しておりますが、それでも卵子が回収できない場合もあり(空胞)、特に卵巣機能の低下した方では卵子が一つも回収できない可能性もあります。
- 当日は禁飲食で指定された時間に来院していただきます。
- 採卵の前に状況により、点滴で鎮痛剤と鎮静剤を投与(静脈麻酔)したり、腟を針で穿刺する場所に麻酔薬を投与(局所麻酔)したりします。麻酔には危険性がありますので、麻酔の問診票をお渡しした際は、アレルギーや喘息、高血圧、甲状腺疾患等の既往の方は必ず記載をお願いします。
- 採卵(所要時間5~20分)
- 終了後は1~3時間の安静の後、帰宅となります。
・処置後に強い痛みが出ることはほぼありませんが、念のため鎮痛薬を処方します。稀に吐き気が出ることがあり、状況によって吐き気止めを使用します。
・麻酔の影響がありますので、当日は原則自宅安静とし、車の運転は絶対にお止め下さい。
・当日限りの緊急連絡先をお伝えすることがありますが、大量の出血や激しい腹痛など緊急を要すると考えられる症状が万が一あった時に連絡をお願いします。
・翌日からは通常通りの生活で大丈夫ですが、卵巣が腫れやすい時期なので、指示があるまでしばらく激しい運動や夫婦生活は控えて下さい。
3.精子調整
・ご主人様には採卵当日に自宅で採精していただき、奥様に持参していただきます。
・あらかじめ4~5日間の禁欲が望ましいです。
・精子はお預かりした後に最も適した方法で調整いたしますが、精子所見が不良で医学的に必要と判断した場合、媒精法から顕微授精に変更させていただく場合があります。
・精子の凍結保存を希望される方は、予めお知らせ下さい。
4.媒精
精子と卵子をシャーレの中で混和し自然に受精するのを待ちます(媒精)。約18~24時間で前核胚、48時間で4~8分割胚となります。採卵の翌日には受精の有無を確認できます。媒精にて未受精卵が確認された場合、可能な場合は緊急で顕微授精を行う(rescue ICSI)場合があります。全ての卵子が未熟卵・異常卵・変性卵の場合や、未受精または異常受精であった場合、受精卵の凍結や移植ができない場合があります。
5.受精卵培養・胚凍結
受精後に分割が順調に進み良好胚ができれば、原則として受精卵は全て凍結(全胚凍結)を行い、採卵後の月経が発来した際に採血で移植に適した周期であることを確認の上で、移植周期に入ります。卵の状態が悪く凍結ができない場合で、かつ妊娠の見込みがわずかにある場合は、稀に採卵周期での胚移植を行う場合があります(新鮮胚移植)。
6.胚盤胞培養
受精卵は2分割→4分割→8分割と分割を続け、およそ5日目には胚盤胞(Blastocyst ブラストシスト)と呼ばれる着床直前の状態に至ります。その前の段階である分割期胚(初期胚)での移植に比べて着床率が高いのが特徴で、移植数を少なく抑えることで多胎妊娠の予防にもつながります。ただし胚盤胞に到達する割合は30~40%とされ、胚盤胞培養により移植できる胚がなくなることが稀にあります。
7.胚移植
1.移植の流れ
胚移植には採卵後2日目もしくは3日目の初期胚移植と5日目の胚盤胞移植がありますが、どの方法にするかは患者さんの希望や医学的状況を加味した上で決定させていただきます。
- 移植当日は指定された時間に来院していただきます。また膀胱内に尿が少ないと移植の処置に影響がでる可能性があるため、目安として2時間前くらいから排尿を我慢して下さい。
- 処置室にて子宮内に胚移植を行います。処置の所要時間は通常1分前後で、原則痛みはありません。
- 移植後は少し安静にしていただいてから帰宅となります。翌日以降は特別な安静は必要ありません。
2.移植周期について
- ホルモン補充療法(HRT)
月経開始時に採血で移植に適切であると判断された場合、移植の目安日を決めた上で卵胞ホルモンの投与を開始し、子宮内膜の発育を促します。適切な時期に子宮内膜の厚さを経腟エコーで測定し、問題なければ移植日を決定し適切な時期から黄体ホルモンの投与も併せて開始します。 - 排卵周期での胚移植(自然周期法)
必要に応じて排卵誘発剤を処方し、卵胞の発育が確認出来たら排卵誘発を行います。排卵日を元に移植日を決定し、移植後は黄体ホルモン製剤の内服と3回程度の注射を行います。注射の内容及び回数は黄体ホルモン値より判断し決定します。卵巣過剰刺激症候群の危険性がある方の場合は、超音波検査を併用し調節いたします。
3.アシストハッチング(孵化補助法)について
胚盤胞の段階まで発育した受精卵は、最後には透明帯を破って外に出ますが、これを孵化と言います。そのため、孵化がうまく進行しない場合には着床することができません。この孵化障害には、受精卵に起因するものと透明帯に起因するものがあり、後者はその硬化に原因があるとされ、良好な受精卵を移植しても妊娠に至らない原因の一つと考えられています。アシストハッチング(孵化補助法)は、受精卵の殻にあたる透明帯をレーザーで削ることで胚の脱出を助ける技術です。
8.妊娠判定
胚移植後の14日目に尿検査で妊娠判定を行います。週数の計算は、黄体ホルモンの開始日または排卵日を2週0日として計算し、予定日は40週0日となります。
9.妊娠経過の確認から卒業まで
週に1回を目安に診察を行います。経腟エコーにて胎嚢の出現、心拍の出現、胎芽の成長を確認した上でご希望の妊婦健診先に紹介させていただきます。高度生殖医療においての流産率は自然妊娠と比較して高く、約20~25%となっております。原因は多岐に渡りますが、最も頻度の高い染色体異常は一つの自然淘汰であり、防止する策はないため基本的には経過を見守るだけとなります。ただし、流産を反復する場合には必要に応じ検査を行う場合があります。
生殖補助医療に伴う副作用・合併症
1.卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulation syndrome : OHSS)
OHSSは、多数の卵胞形成によって卵巣自体が腫れることによる腹痛と、随伴して出現する腹水による腹部圧迫感を主症状とする病態です。症状の程度は、薬剤の種類や投与量、患者さんの薬剤への感受性によって異なり、採卵前に行うhCG製剤の投与の後から徐々に出現し、採卵後数日でピークを迎え、月経前になると急に改善してきます。しかし同時に妊娠が成立した場合には妊娠絨毛から分泌されるhCGにより、OHSSは重症化・長期化します。予防のためには全胚凍結して時期をあけて凍結胚を移植することが肝要と考えられます。
正確な発症頻度は不明ですが、軽症OHSSは排卵誘発周期の8~23%、中等症は1~7%以下、重症は0.5%程度であり、そのうち入院を要するものは全体の0.8~1.5%、生命に関わるものは10万人あたり0.6~1.2人と報告されています(生殖医療の必修知識2020)。必要に応じて血栓症のリスク状態を採血で確認したり、血栓症予防のために点滴などを行ったりすることがあります。またごく稀ですが、卵巣腫大による卵巣茎捻転が生じた場合、入院・手術が必要となるケースがあります。
OHSSを未然に防ぐには、医師が薬を慎重に投与することが第一と言えますので、個々に合った刺激を心掛けると共に、もし生じた場合には万全の体制を取らせて頂きます。
2.採卵に伴う合併症
- 麻酔による合併症
状況に応じ静脈麻酔や局所麻酔を行います。静脈麻酔では嘔気・嘔吐の他、呼吸抑制、血圧低下などの副作用が見られることがあるため、各種モニターを装着し管理することによりこれらの予防につとめています。局所麻酔ではアレルギーが起こることがあるため、以前に局所麻酔でアレルギーを起こしたり具合が悪くなったりしたことがある方は、必ずお申し出ください。 - 腟壁出血
軽微な出血も含めると8.6~18.1%に認められ、採卵による合併症では最も多いと考えられます。しかし多量出血は稀で、2時間を超える圧迫止血を要するものは0.1%、100mlを超える出血を認めるものは0.8%と報告されています。採卵終了時に、止血のためのガーゼを念のため腟内に挿入する場合があります。基本的には帰宅前の診察時に抜去しますが、再出血のリスクが高いと判断した場合はガーゼを挿入したまま帰宅していただき、翌日の診察時に抜去することがあります。 - 腹腔内出血
採卵による卵胞穿刺部位からの出血は必ず起こり、採卵後24時間以内での出血量は平均230ml程度と報告されています。重篤な腹腔内出血をきたすことは稀で0.04~0.22%と報告されていますが、その場合は開腹手術や腹腔鏡下手術が必要となることがあります。 - 骨盤内感染症(pelvic inflammatory disease : PID)
発症頻度は0.3~0.6%程度と稀ですが、チョコレート嚢胞を含む子宮内膜症がある方は特にリスクが高くなります。一般的に卵巣膿瘍、卵巣・卵管膿瘍に至った場合、抗菌薬投与にて34~87.5%が改善するとされますが、奏功しなかった場合は手術によりドレナージと感染組織の摘出が必要となることがあります。採卵時には抗生物質を点滴で投与し予防に努めますが、発熱・腹痛が続く場合には厳重に管理させていただきます。 - 他臓器損傷
重篤な他臓器損傷の頻度は0.1%と稀ですが、尿管損傷や虫垂穿刺による虫垂炎の報告もあります。膀胱内に出血が起こることがあり、帰宅前に排尿をしていただき血尿がないか排尿がスムーズか確認します。血尿があっても自然に止血することが多いですが、稀に膀胱内血種などにより入院加療が必要となる場合があります。
3.胚移植に伴う合併症
胚移植に伴う合併症としては疼痛、出血、稀に感染があります。子宮の入り口が狭いなどの理由で胚移植が困難な方の場合は、外筒あるいはスタイレット付きカテーテルを用いることがあり、その場合出血や疼痛を伴うことが多くなります。
4.妊娠に伴う合併症
妊娠に伴う合併症では異所性妊娠、多胎妊娠、周産期合併症が重要です。
- 異所性妊娠(旧、子宮外妊娠)
子宮内に受精卵を移植した場合でも、子宮内腔以外の場所に着床する異所性妊娠が起こる可能性があります。妊娠判定の日に尿検査で陽性の場合には必ず血中HCGを測定し、経過観察し早期診断に努めます。hCGの分泌がごく微量の場合には、尿検査による妊娠反応が陰性となる場合があります。月経用の出血をきたすこともあり、鑑別には基礎体温の低下の有無が重要となりますので、基礎体温は必ず測定をお願いします。異所性妊娠は胚盤胞移植より初期胚移植で上昇し、凍結胚より新鮮胚移植で上昇(0.6%対1.3%)すると報告されています(本邦2016年、生殖医療の必修知識2020)。 - 多胎妊娠
高度生殖医療による胚移植あたりの多胎妊娠の発生頻度は自然妊娠より高くなりますが、移植する胚を原則として単一とすることで以前より低くなっており、約2.9%(本邦2019年、日本産科婦人科学会)です。移植胚数が増えれば多胎妊娠の発生頻度は増加し周産期合併症のリスクが高まりますので、日本産科婦人科学会の会告により、胚移植数は原則1個とさせていただいております。ただし、2回以上続けて妊娠不成立であった場合や35歳以上の患者様には2個の移植も可能ですので、この場合にはご相談の上、決定させて頂きます。 - 周産期合併症
生殖補助医療による妊娠を自然妊娠と比較すると、妊娠高血圧症候群が約1.30倍、妊娠糖尿病が約1.31倍、前置胎盤が約3.71倍、常位胎盤早期剥離が約1.87倍、分娩前出血が約2.40倍、帝王切開分娩が約1.58倍、早産が約1.71倍、低出生体重児が約1.61倍と増加すると報告されています。生殖補助医療を施行されている方が年々高齢化されていること、子宮筋腫やチョコレート嚢胞などの婦人科合併症を有する方が多いこともあり、合併症には注意が必要です(生殖医療の必修知識2020)。 - 生殖補助医療に関連した癌の発症
排卵誘発剤の使用による婦人科癌、特に卵巣癌の発症を懸念される方も多いかと思いますが、2015年の論文では、治療後5年近くフォローアップしたコホート研究の結果、卵巣癌、乳癌、その他の女性生殖器癌を増加させないと報告されており、現時点では癌発症リスクは増大しないと考えられています。
5.先天異常
本邦2007年の報告によると先天奇形の発生率は、体外受精1.21%、顕微授精1.68%及び凍結融解胚移植1.47%であり一般集団との間に差は認めていません。一方で染色体異常の頻度は、一般集団が約0.6%、生殖補助医療での頻度が約3%と高くなるとの報告もあります。いずれも発生頻度については一定しておらず、今後の更なるデータ収集が必要とされています。
※他の代替方法
卵管因子が不妊原因となっている場合には、腹腔鏡、卵管鏡を用いた卵管形成術が有効となる可能性があります。また本法で受精卵が得られない場合には、次回より顕微授精の適応になる事も考えられます。
※緊急時の対応
予期せぬ事態が発生した場合は、担当医が最善の対処を致します。処置内容などについては担当医の判断にお任せ下さい。
※同意及び撤回の自由
同意書をいただいた後でも、同意を撤回することはできます。その場合は担当医とよく御相談下さい。また、同意をしなくても、今後の当クリニックでの治療において不利益を受けることは一切ありません。
※カウンセリング
当院では、患者さんの悩みや不安に関してのカウンセリングは治療に直接携わるものとして医師や看護師が随時行うべきと考えており、心理カウンセラーはあえておいておりません。ご不明な点や心配なことがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
※学会への報告義務・個人情報保護について
当院では個人情報保護法に基づいて医療情報の管理を行っており、個人情報の保護に厳重な注意を払っております。治療を施行する際にも、個人情報の守秘義務を遵守します。
医学・医療の発展のために、治療経過に関する情報を日本産科婦人科学会に報告しており、治療成績等の統計結果を学会に発表させて頂きますが、匿名性を保ち、個人情報の保護に努めます