不妊外来

タイムラプスシステム(先進医療)

培養室の中の胚(受精卵)

採卵によって採取された卵子は体外受精もしくは顕微授精により受精させます。受精した胚(受精卵)は培養液に入った状態でインキュベーターという専用の培養機器によって温度・PH・浸透圧など胚が成長するのに必要な環境の中で育っていきます。

胚の成長

胚はインキュベーターの中で細胞分裂を繰り返して成長していきます。
これを分割といいます。受精後に最初の分割が起こり2cellの胚になりその後次々に分割を繰り返し、4cell / 8cell / 16cellとなりその後にcell同士がくっついて(コンパクション)1つの塊に見える桑実胚になります。
さらに時間が経つと桑実胚の中に胞胚腔という液胞ができ、この段階が胚盤胞で内側の膨らみが胎児になる内細胞塊(ICM)、外側の膜が胎盤になる栄養外胚葉(TE)です。

タイムラプスシステムの機能

従来の胚の評価では培養士がインキュベーターの中の胚を取り出し、培養後1~6日間にわたって3~5回の観察/検査を実施します。胚がインキュベーターの外に出ると温度も酸素、二酸化炭素、窒素濃度も全く違う環境にさらされる為、とても大きなストレスがかかりますので従来の手法での観察時間は最小限に抑える必要があり、動態的評価の時間は限られてきます。そのような状況の解決策として開発されたのがタイムラプスシステムです。
タイムラプスシステムは内臓カメラと顕微鏡を備えたインキュベーターの中で胚の画像を10分毎に一定間隔で写真撮影を行い、その写真を写すことにより動画のように見る技術です。これによりインキュベーターから胚を取り出さない安定した培養環境での状態で観察を行うことが可能となり、1~6日間に渡って個々の胚のタイムラプス動画の作成ができます。

タイムラプスシステムのメリット

  1. 培養環境の向上
  2. 胚の成長を継続的に観察する事が可能になり、異常な分割や胚を見逃さない。
  3. 妊娠の可能性のより高い胚を識別することが可能となる。

この写真の作成者 不明な作成者 はCC BYのライセンスを許諾されています

この写真の作成者 不明な作成者 はCC BYのライセンスを許諾されています

この写真の作成者 不明な作成者 はCC BYのライセンスを許諾されています

PAGE TOP